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あなたの探している希望の仕事がきっと見つかる
ジョブデパ
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私が初めてアルバイトをしたのは大きなスーパー内特設売り場での
年越し蕎麦の売り子だった。
このバイトをすることになったキッカケはなんと学校の斡旋だった。私の通う高校の近くに製麺所がありその関係か知らないが学校にアルバイト募集が掲示板に貼られ応募した。まあ私は人見知りしないタイプなので売り子というアルバイトに不安はなく、それよりも年末の2日間とい短期間に1万円弱のお金が入ってくるのがとても魅力的だったもの。
それに家の大掃除の手伝いをサボる口実も出来たし、アルバイト初日自転車をすっ飛ばして開店前のスーパーに駆けつけた。
照明が半分くらいしか点いていない店内に入り製麺所の人から言われていた場所に行くと、40代前半ぐらいのおばさんが胸に製麺所の名前入りの白いスモッグを着て立っていた。感じが良さそうなおばさんだ。私は胸の中で
「このバイト楽勝かも!」と思いながら明るく元気に「おはようございます。」と挨拶した。
それからビニール包装された半ゆでの蕎麦を売り場に搬入し、私もおばさんから白いスモッグを渡され商品の値段などについて軽く説明された。まあ売る商品が蕎麦しかないので個数の合計金額を書いた虎の巻を商品台にぺたりと張りつければ何の心配もいらないし、私は大声を張り上げて「年越し蕎麦はいかがですかぁ?」と呼びこみを頑張れば良さそうだった。
いざ開店!!私は入って来た客に向かって、
「年越し蕎麦はいかがですかぁー。」
と叫んだ。しかし一番最初の客の老女はちらりと見ただけで目の前を通り過ぎていく。あれっ、空振り。まあそんなものだわと思い直し、次々に入ってくる客に向かっておばさんと共に声を張り上げ続ける。
段々と時間が経つにつれ主婦らしきおばさん達がポツポツと買ってくれていたが、そこで繰り広げられる会話に主婦魂を見た。
売り子のおばさん:「いらっしゃいませ。」
客:「お蕎麦もらうがな。」
売り子のおばさん:「ありがとうございます。」
客:「本当は家のじっちゃんが毎年蕎麦打つんだけっど、じっちゃんの蕎麦つなぎなしの田舎蕎麦だからブツブツ切れでよー。」
売り子のおばさん:「つなぎなしだど、んだねぇ。」
客:「で、この蕎麦はどうなの。」
売り子のおばさん:「山芋とかのつなぎ入ってますけど、なめらかでつるっと喉ごしもいいですぅ。」
客:「んだがしたぁ。」
売り子のおばさん:「今ならこのつゆをお付けしますよ。」
客:「んー。いっぱいつけでけんの。」
売り子のおばさんはおまけとしてつける100CCぐらいの容器に入ったつゆを手に取りながら言う。
売り子のおばさん:「薄めてつかうものなので蕎麦2個に1つですよ。」
客:「家はジャバジャバつっけっがらそんではたんねな。」
売り子のおばさん:「いっぱい買ってもらうどサービス出来ますよ。」
客;「んだけっど。」
と言いながら、バッグから財布を出し尚も食い下がる。
客:「6個買うど6個つゆつけてけんの。」
売り子のおばさんはにこやかな笑顔で言う。
売り子のおばさん;「1個サービスして4個にしますがら。」
客;「4個。5個になんねのがしたぁ。」
売り子のおばさん;「あとのお客さんの分もあるんでぇ。ごめんしてけらっしゃい。でもこのつゆほんどに
うんまいだから食べてみてください。」
客はおまけのおつゆを4つと蕎麦を6袋持って帰って行った。
万事このような調子で主婦のおばさん達は少しでもおまけのつゆを多く貰おうとしてくるが、売り子のおばさんもにこやかに笑いながらやんわりと断りつつ多少のおまけをつけたりしていた。
私は客が途切れた時「大変ですね。」と売り子のおばさんに声をかけたら「主婦は皆そんなもんだ。」と可笑しそうに笑っていた。
私も三十路を過ぎおばさんと呼ばれるゾーンに両足どっぷりと浸かってしまった。自分ではそんなつもりはないのだが、スーパーや実演販売の所で「おまけして!」とついつい挨拶のように言っている事につい最近気がついた。
これがいいのか悪いのかわからないがあんまり「おまけを強要する」のだけは止めておこうと誓う……。たぶんね。
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